ウチの学校の演劇部は、宝塚ファンが多いためか? 真似事をやってるようやった。 私は、宝塚ファンな訳ではなく、ただのお芝居好きやった。
春休み、夏休みになると、友達と東京へある人のお芝居を 観に出てきてた。 ファンクラブに入り、関西ツアーの時は、追っかけもした。 何せカッチョよかったのだ。 あちこち追っかけてるうちに、私もやりたくなった。 高校卒業したら、このグループに参加しよう~っと。 私の場合、いつもきっかけは、安易である。
そのうち、私もホームドラマに出たいな~という とんでもない夢を見だし、 毎日、お稽古に励んだ。演劇部じゃダメだったのである。 私の苦手とする早口言葉や、標準語、ダンス、色んなお稽古があった。
早口言葉や朗読の日は、私1人できなかった。 標準語の日は、アナウンサーの方に教えてもらったが、しどろもどろ。 標準語でもなく、京都弁でもない怪しい日本語を喋ってた。 唯一楽しかったのは、ダンスの時間やった。
さん、ハイ!で泣きなさいだの、笑いなさいだの、怒りなさいだの、 精神的に過酷ではあった。 そんなすぐに泣けるもんではない。 当時の私には、この「すぐ泣く」という事が無理やった。 「悲しい」事がなかったので、思い出せなかったのだ。
笑えって言われれば、いくらでも笑えた。 怒れって言われて、怒ってみたが、なかなかオッケーは出なかった。 一生懸命怒っても、なぜか怖くないらしい…
そして、京都という土地柄なのか? お芝居のお稽古は、いつも時代劇やった。 馴染みが薄いから、内容がようわからん。
よく考えると、この時期は、国語の授業を実践で特別に 受けてたような、そんな気がする。
1年もすると、CMのお話、映画のエキストラ等のお話が舞い込んできた。 このお仕事が面白かった。学校を休んで、 丸1日撮影に参加するのである。 ある時は、浴衣で盆踊り。ある時はウエディングドレスでCM。 映画も有名な映画に関わらせていただいた。 残念な事に、映画では、私はどこにいるのか?全くわからない。 そんなこんなのうちに、映像での私の存在感がないと、嫌になる。
ある日、ある映画のオーディションを受けた。 このオーディションを最後にしようと思ったのだ。 いつまでも、アホな夢ばっかり見てないで、ちゃんと考えなきゃ~ って思ってた頃である。
意外や意外!書類審査通過! これは、なんとしてでも物にしないと! うっかりそんな気がよぎってしまった。 大阪で関西地区のオーディションがあるという。 もちろん、出かけた。 私の出番が来るまで、これからの撮影のスケジュールが 書いてあるものを読んだ。 どうやら、修学旅行の頃になるらしい。
困った。
修学旅行は譲れない。
修学旅行へ行くのをめちゃくちゃ楽しみにしていたのだった。
頭の中で、修学旅行を考えながら、テストを受けてしまった。
さすがに、気がそぞろなのが、バレバレ。
修学旅行と共に、夢が崩れてしまったのだった。トホホ
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