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執筆者の写真neki neki

幼い頃からの好み

ここら辺で、話題を替えよう。 私は、ちいちゃい頃から、おうどんが好きである。 それも、半端やなく好きなのである。

それは、どういう事かと申しますと…

ちいちゃい頃の嗜好ってのは、大体、濃い味のものが主流である。 ハンバーグや、スパゲッティ、オムライス、カレーライス… なので、お子さまランチなるものは、ああいうラインアップに なるんやと思う。

昔から、何かとお世話になったおばちゃんが、近所にいはる。 お風呂屋さんへ連れていってもらったり、 旅行へ行ってきはった時は、お土産をいただいたり。

そのおばちゃんに、お風呂屋さんへ連れていってもらって、 家に帰ってくると、ウチの父は喜んでいた。 おばちゃんは、髪結屋さんなのだ。 お風呂上がりに身体につける化粧水を、 私もつけてもらって帰ってくるので、 「お!よしみ、いい匂いしてるな~」と父は喜んでいた。

そんなおばちゃんに、幼馴染みのKちゃんと、 デパートへ連れていってもらった日の事。 お腹が空いたので、デパートの食堂で、 何か食べようという事になり、

おばちゃん「好きなもん、言いなさい」 Kちゃん「あたし、お子さまランチ~~♪」 おばちゃん「よしみちゃんは?」 私「おうどん~~~!」 おばちゃん「あんた、せっかく外で食べるんやから、 もっとええもんにすればいいのに」 私「おうどん…」 おばちゃん「はいはい…」

とまぁ、こんな事があり、帰ってからおばちゃんが、 ウチの両親にその話をしたのは、言うまでもない。

しかし、私にとっては、お子さまランチよりもおうどんの方が、 ええもんやったのだ。 だって、美味しいやないの~出汁といい、麺といい…

さて、私の味の好みは、おうどんだけではない。 ウチのおじいちゃんは、昔からず~っと梅酒の梅を 自分で漬けてはった。 プラムとかもあったから、果実酒が好きやったみたい。

ウチの甥っこのチャンチャイもおもろいが、 ウチがチャンチャイの頃、この梅酒の梅で、エライ大騒ぎになった。 私は、覚えてへんので、聞いた話だが。 それは…

おじいちゃんは、蔵にあった梅酒の梅を大量に器に盛り、 お膳のまん中に置いた。 これは、その時期になると、毎年恒例の出来事ではある。 そして、おじいちゃんは、パクッと口に入れたりしてるのを、 私は見ていた。 何か、コリコリ音がして、美味しそうやったのだ。

私「おじいちゃん、それ何?」 おじいちゃん「梅酒の梅やで」 私「美味しそうやな~、食べていい?」 おじいちゃん「あぁ、好きなだけお食べ。種は、出しや。」

お、お、おじいちゃん!好きなだけお食べって… この時点で、はい、おじいちゃん失格~~である。 しかし、おじいちゃんは、子供の私が、 そんなたくさん食べられる訳がないって、思ってたらしい。

大間違いである。

子供は、美味しいものとか、自分が嬉しいと、はしゃぐものである。 食べていいって言われて、食べたら美味しくて、 さぞ嬉しかったのだろう。 お膳の周りを、小走りにはしゃぎながら、回ってるうちに、 暑くなったのか? そのまま、表へ飛び出し、外で走り回っていたそうである。

子供らしいではないか。

しかし、その後、突然、家の中に入ってきて、青い顔して、 「ぎ~も~ぢ~わ~る~い~~~!」 と、大騒ぎになったそうだ。 アルコール中毒である。

美味しくて、美味しくて、たくさん食べた後、はしゃいでしまった為、 アルコールの回りが、激しく、自ら酔っぱらってしまったのだ。

両親は、お店で働いているので、訳わからず、お膳の上の種を見て、 ビックリしたそうだ。6つか7つ程、 灰皿の上にキチンと並んでいたそうだ。 あちゃちゃ~やっちまったね、おじいちゃん… と、話を聞いてた私は、思ったのだが、何も覚えてないので 結構他人事である。

普通、そんな事があったら、 梅を見るのが嫌になるような気がするのだが、 不思議な事に、今でも大好きなのだ。

そんな風に、何かとおじいちゃんのそばにいたので、 私は、おじいちゃんの食の好みに、少々似ている所があるのだった。

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