妹の話は、それはそれはたくさんエピソードがあるのだが、 今回は、ライバルとしての話を書こう。
妹は、いつも私の真似ばかりしていた。 5才離れているので、取っ組み合いの喧嘩はした事がない。
昔の写真を見ると、大体、妹は横で笑っているが、 私はふくれっ面である。 何が不満やったんやろ?? この様子から伺えるように、 幼い頃は、まるっきり正反対な性格であった。
私を見ながら育ったせいか、エラクのびのびとしてる。 要領がよく、やんちゃやった。 おまけに、何か可愛かった。
ここら辺が、姉の私としては許せない。 自分にないものである。
私が小学校の頃、ウチのお店に高校生のアルバイトさんが、 何名か来ていた。 お店番の女の子は、可愛くて人気者。 蒲鉾の製造のバイトさんの中に、ちょっと男前なお兄さんがいた。
私は、そのお兄さんにほのかに恋心を抱いていた。 妹は、ちいちゃくて、歯が抜け始めた頃。
ある日の休憩時間に、バイトさんが休憩してはる中に、 何を思ったのか?妹が飛び込んでいったのだ。 人なつっこいのだ。 そして、とても和やかなムードを醸し出していた。 うらやましくて、戸にへばりついてた私。 お姉ちゃんなので、同じ事はできんかった。
すると、ちょっと男前なバイトさんの膝に座ってるではないか! なんて、あつかましい… その頃の事をこんなに明確に覚えている私も私だが。
そして、女の子のバイトさんが、私を見つけた。 お姉ちゃんも入っておいで~って言うてくれた。 しかし、入ろうとした瞬間、その男前のバイトさんは、 「妹は、こんなに可愛いのに、お姉ちゃんはブスやね~」と ハッキリ言うたのだった。 忘れもしないこの言葉。
ブスって言われたぞ… いいな~って思ってた人に、こういう事を言われるなんて… よく見たら、全然かっこ良くないやん! 何よ、妹だけあんなにチヤホヤされて…ふ~~んだっ! 女の子は、可愛くないとあかんのか? どうせブスやぁ、私はぁ!
こんな感じで、ふてくされたのは、言う間でもない。 しかし、これが後々の恋愛の教訓となった。 人は、顔で判断してはいけない。 じっくり自分の心で、相手の心を見極めよ。と…
かたい話は、置いといて…
そんな自由奔放な性格やった妹は、思春期になっても、 自由奔放のままやった。 「いつも、大人しいわね~」と言われ続けてきた姉は、 大人しくしてるのもしんどくなった時期があり、 色んな理想を描いているうちに、現在の形が出来上がってしまった。
妹も私の変貌にびっくりしている。 しかし、妹の影響を受けていた事なんて、思ってもないだろう。 兄弟、姉妹は、いつもこうやって影響しあって生きてるんやと思う。
「何でお姉ちゃんの眉毛は、そんな上なん?」 と、答えようのない質問をしてくる嫌な奴である。
どうやら、ちいちゃい頃にいじめられた分を、
今、いじめ返そうとしているらしい。
計算すると、私の方がいじめられてると思う今日このごろなのだった。
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