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執筆者の写真neki neki

バンドオーディション1

私はつくづく、抜けてる…と自覚したのは、このオーディションの時。 その頃、たくさんお金が欲しいが為、半OL生活をしていたのだが、 私には、OL生活がフィットしなくて、ストレスが溜り放題。 社内は、女性ばっかりだったので、火花が飛び散ってばかりだった。 毎日、1つは失敗していて、その度にお説教され、 そんな会社から、早く抜け出したい、 こんなん精神衛生的によくない! と思っていたのだが、代わりが見つからず、 毎日お説教されに行っていた。

そんなある日、同僚の子に「絶対、私、近日中に辞めるから」 なんて、グチをこぼし、「私、バンドに入る!」 と、全然コネも何もないのに、豪語していた。 せっかく東京にいるのに、 全く音楽とは違う仕事をしてる自分が嫌やった。 大きい話をまるで、ほんまに実現できるかのように話す癖は、 この時に身につけてしまった。何の脈絡もないのだが。 話している方は、楽しい。

その数日後、当時の愛読書にキーボード募集の広告を見つけた。 ページの下の方に、ちいさい写真と共に、チョロッと載っていた。 「上々颱風」?聞いた事ない。 この人達かぁ?何かすごい衣装や。 衣装ばっかりで顔がようわからんなぁ

手始めに受けてみるかぁ~!と思い、書類を送った。 ま、書類で落ちるわ~ と思ったら、意外!当時、私が住んでた地域のスタジオで、 リハをされていた。 「セッションしましょう」という通知が来たのだった。

あらら~通ったんやわ・・・ セッションって何するんやろ?? 何か面白そうや~~!という興味津々で、向かった。

ウチに来た通知にあったラフなイメージとは、ちと違った。 そう、オーディションやん。ラフには審査できひんわ。 当時のマネージャーから、私の前の人がまだ来てないと聞き、 少し待つ。 私の2人前の人は、緊張のあまり、手が震えて弾けなかったと聞く。 途中で帰ってしまわはったらしい。 うわっ…そんな雰囲気なのか…

結局、私の前の人は、来なかったので、ちと早めに私の番が来た。 初めまして~と恐る恐るスタジオに入った。 そこには、キーボードが各種取り揃えてあり、その奥には、ドラム、ベース、 パーカッション、三味線のおじさんが、神妙な顔してはる。 この人達が、上々のメンバーだって事に気がついたのは、 オーディションが終了し、 家に帰る途中に立ち寄ったレンタルCD屋さんでの事だ。

私は、オーディションの為に集まった人達だと思っていた。 それにしては、みんな怖い顔してるなぁ~ 特に、コンガの所に座ってる人。

演奏のテストをされ、1つ終わるごとに、ドラムの人が、 「う~ん、いいんじゃない?」とボソッと言わはる。 この「いいんじゃない?」が、私には、 別にどうって事ないんじゃない?っていう風に聞こえた。 自信満々で行った訳ではないから。

そして、最後に、「Let It Be弾けるよねぇ?」と言われ、 ねき「KEYは、何ですか?」 バンド「G」 ねき「はい、こんなんですよねぇ?ポロポロン♪」 バンド「OK,じゃ、それを音頭風に…いいね?ワンツー!」 始まってしまった…

いきなり音頭でって…音頭って…ハハハ! おもろかった。 私にも日本の血がちゃんと流れてるんやわ~ と思いながらノリノリやった。 すると、間もなく横から女の人が二人、まん中に立ち、 マイクを調整してる。 (??何が始まるんやろ?ポロポロン♪) 歌い出さはった…

そう、ボーカルのえみさんサトさんであった。 知らんもん。そんなん。 けど、上手いなぁ~と感心してるうちに終わってしもた。

あ~楽しかった。 これが、私のオーディションの感想である。 遠くの方で、怖い目をしてた人もいたけど、中に入ってみると、 とても楽しかった。

このまま帰ればよかったのだ。 私は、この後、大失敗をする。

続く・・・

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