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執筆者の写真neki neki

バイト遍歴4

まだまだありまっせ~

ある日、大阪の有名な電気屋さんに入った。 電子オルガンの検品と銘打ってあったが、 これはこれでとても勉強になった。

始めは、まさしく電子オルガンの検品。 新製品のオルガンのバグチェックである。 工場の中で、でっかい音で1日中オルガンを弾くという仕事やった。

気持ちいいのなんのって、1日中弾いてればいいんやもん。 普通の弾き方では、よくないのだが。

最初は、わからず、リズムの音を流しては、ほぉ~と感心し、 鍵盤の音色を変えては、感心しているような毎日。

何をやっても、何ともない。 ただ、工場のおじさんが、入れ替わり立ち替わり、 色んな人が見に来た。 小さいコンサート。実に楽しかった。 1曲終わると、そういう音がするのかぁ~って感心してはった。

ある日、他の部署でもチェックをしているとの事を聞き、合流する。 それはそれは、嘘みたいな事をしていた。

初心者は、どのタイミングでどのボタンを押すかわからない。 という訳で、普通なら考えられない状態で、押してみた。 画面が消えた・・・ あぁ、こうするのかぁ~と納得、 それからは、呑気に演奏ばかりできなくなった。

その後、MIDIの本を作成して欲しいと言われ、私独自の本を作成。 今や、MIDI検定なるものがある位、突き詰めると、 ややこしそうな物である。 私は、あんまり詳しくなかったので、あちこちの本を読み、 いいとこ取りして、本を作成した。

当時の、取説は、読んでもいまいちわからなかったからだ。 だからって、私の作った取説が、わかりやすいとは思えないが。

一応、冊子になった。 こんなんで、いいのか?疑問が残る。 この電気屋さんの作った製品を買う人もいるのだ。 非常に悩んだが、上からOKが出たので、良しとする。

その後、カラオケのチェックがあった。 これは、めちゃくちゃ楽しかった。 簡単に言えば、間違い探しである。 1曲ずつカラオケを聞いて、間違ってる所を指摘するだけの、 非常に簡単なお仕事。 この仕事にハマってしまい、夜11時まで残業したりしてたのだ。 私の天職に違いないと、その頃思ってた。

間違い探しが、当時、マイブームやったのだ。 そして、どう聞いてもおかしいカラオケが、私の元に来る。 綺麗な曲に、ポコポコ変な音が入っていたり、 ベースラインがズレて入っていたり、作ってる人は、 確認しないのだろうか? という疑問だらけのチェックやった。

夜食のおうどんが食べたいばかりに、残業をしていた私。 そこに一生いてもいいかも?と思っていた私。 だが、そういう訳にはいかなかった。

その後、2回目の上京を目指すのだった。 そう、私は1回上京し、京都に帰っていたのだった。

しかし、この会社の人達は、とてもいいおじさんばかりだった。 若者が少なかった事だけは、よく覚えている。 バブリーな会社やったのに、社員やなかった所が、今思えば、虚しい。

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